サイボーグソルジャー設定
 「うをーい。走れ走れー。ほれ、あと一周!!」
 今日も練兵場には教官の叱咤の声が響き渡る。サイボーグの歩兵であろうと鍛錬を欠かす事はない。自分の体の限界や操り方を知るには、やはり実際に動かして知るしかないのだ。それはサイボーグに関しても同じである。が、その走る速さはサイボーグだけあって普通の人間の走る速さではなかった。フィーブル藩国の技術の粋を集められてサイボーグ化されただけあって、その速さは目を見張るものがあった。
 当初からアイドレスの存在したこの国において、歩兵なんぞ役にたつのか、そう思われる方もいらっしゃるだろう。しかし歩兵には歩兵の使い道がある。アイドレスの入って来れない閉所などでは彼らの独壇場であるし、拠点の建設などには絶対に必要である。また、敵拠点の制圧にはどんなに機械が発達しても必要なのだ。
 そして、何より歩兵というものはコストが安い上に使い勝手も良い。アイドレスだと一箇所が故障して動かなくなると、機体を捨てるしかない。その点、歩兵だとアイドレスと同等の金額をかけた部隊で、一部が損傷してしまったとしても、他の部隊に組み込むなり何なりして、再活動が可能である。とりあえず、コストパフォーマンスでいったら戦車を越える。
 また、知られている事は少ないが歩兵の仕事の大部分は移動、残りは拠点の建設と維持であり、その余禄に一割にも満たない戦闘が含まれる。この事を考えた時、サイボークであるというのは非常に都合がいい。移動時の疲労というものを生身ほどに考慮しなくて良いからだ。戦闘陣地の建設等ではサイボーグは記憶的サポートが可能でもある。
 もちろんサイボーグ化に対する反発は小さくなかった。整備費用も馬鹿にならないし、人体改造に抵抗があったからだ。更に砂漠の国フィーブル藩国だけあって砂や小石が入り込んだりで整備は容易ではない。だが、生存率は上がる。この事は作戦成功率の上昇を示し、そしてそれは結果として、大事な家族を守る事に繋がる。兵士達は生きて帰ることでまた、彼らの大事な家族の笑顔を守るのだ。

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