フィーブル藩国は、砂漠という名の砂の海と青い海の岩礁・浅瀬に挟まれて、ぽつんと存在する孤島のような冴えない小さな小さな藩国である。有り体に言うと田舎藩国となる。開拓民達が、弱々しく今にも消えそうなフィーブルという名のオアシスを中心として築いた国であるため、この名が付いている。
だがしかし、それだけでこのような辺境にわざわざ国が出来るほどの人が集まる訳も無く、村が国となったのにはそれなりの理由がある。まあ、と言っても、特別珍しい理由がある訳ではない。この国の周辺では優れた質の砂鉄等の地下資源が採れたのである。元々は仕方なく開拓者達が住む場所だったこの国は、何時しか機械と技術の国に発展していったのだ。発展した技術が更に住み良い環境を提供し、逆に厳しい環境が技術の発展を促した。こうして、フィーブル藩国は今の形へと至っている。
感覚や反射神経に優れた国民が多い理由はここに由来していると言われている。国民のほとんどが常に生と死に向き合い生きてきた開拓民と優れた武器を求めた武人の末裔に当るからである。
勿論機械工学を軸として発展してきた国であるため、技術力が高いのも国の特徴の一つとなっている。家電製品に始まり、人形に至るまで、その幅も広い。
だが、この国を潤し発展させてくれた豊富な資源は同時に災いを呼ぶ存在でもあった。豊かな生活を…豊富な資源を欲するのは、何時の何処の世界の人間でも変わらないからだ。 つまり、資源を争った戦争が何度も起きた。その際、フィーブル藩国の国民達は長年蓄積してきた技術を転用。戦闘兵器を開発してこれに対抗していった。生きるための技術が殺すための技術に転用され、それが生きるための技術を向上させたのは皮肉である。
→藩国設定にもどる